アメリカの入国審査と言えば「長い行列」。ただでさえアメリカの空港は利用者が多いのに、入国審査時に一人ひとりの顔写真と両手の指紋を取るので、どうしても行列ができてしまうんでしょうね。混み具合によっては1時間近く並ばないといけないこともあります。
ですが、グローバルエントリー(Global Entry)を持っていれば話は別です。今回はグローバルエントリーについての簡単な説明と、テスト運用でグローバルエントリーを実際に取得したときの流れをまとめました。
目次
グローバルエントリー
米国税関・国境取締局(CBP)では、事前に承認を得た危険度の低い国際線利用者に対し、米国到着の際の通関手続きを簡略化するためのグローバルエントリープログラムを実施しています。
事前承認を得た場合、国際線でご到着された際にも、通常の入国審査を受ける必要がなくなり、直接グローバルエントリーのキオスクにお進みいただけます。
グローバルエントリーを持っていれば、アメリカへの入国時、入国審査の長い行列に並ばずに済みます。自動キオスクに直接進むことができるので、時間を大幅に節約できます。
自動キオスクでの手続きは数分で終わります。早い人だと1分以内です。こんなに便利なグローバルエントリーですが、「グローバルエントリーなんて聞いたことないよ」って方も多いんじゃないかと思います。それもそのはず、日本人向けのグローバルエントリープログラムはまだ準備中で、2018年7月現在、テスト運用の段階だからです。(アメリカの永住権をお持ちの方なら今でもグローバルエントリーに申し込みできます)
Senator Mazie K. Hirono (D-Hawaii) today announced that U.S. Customs and Border Protection (CBP) has launched a Global Entry pilot program with Japan. The pilot program allows up to 1,500 Japanese citizens as determined by the Government of Japan and CBP, who have received a promotional code to apply for Global Entry. The Global Entry Program allows expedited screening for trusted travelers visiting the United States, including TSA PreCheck privileges.
日本語のニュースが見つからなかったので英文で引用します。2017年9月の記事です。記事によると、グローバルエントリーのパイロットプログラム(テスト運用)に参加するにはプロモーションコードが必要で、その数は最大でも1,500しかないとのことです。
前置きが長くなりましたが、ようやく本題。
最大でも1,500人分しかない貴重なグローバルエントリーテスト運用のプロモーションコードをラグジュアリーカードに頂きました。ラグジュアリーカードから特別な案内が来て、プロモーションコードを頂いたのは2017年11月です。プロモーションコードの申込期限は2017年12月31日まででした。
なぜ私が特別な案内を頂けたのか心当たりを羅列してみます。
今後、グローバルエントリーの正式運用が日本でも始まったときに参考になればと、グローバルエントリーを取得するまでの流れをまとめておきます。ただし、テスト運用時の体験に基づくものなので、正式運用時には変更点があるかもしれません。
ざっくりとした流れがこちら。
グローバルエントリー取得の流れ
まずはCBP(U.S. Customs and Border Protection)のアカウントをつくります。
プログラム選択でグローバルエントリーを選びます。
グローバルエントリーの申し込みフォームは入力項目が多いので、入力が終わるまでに1時間くらいかかりました。
グローバルエントリーの費用は100ドル、5年間有効なので1年あたりのコストは20ドルです。クレジットカードで支払えます。これでアメリカに早く入国できるようになるなら安いものです。
CBPから申請が受領されたと通知が届いたら、30日以内に戸籍謄(妙)本を東京入国管理局に送ります。注釈にさらっと書いてあったので見落としかけましたが、戸籍謄(妙)本の右上余白部分にパスIDを鉛筆で記載しておく必要があります。
パスIDはログイン後の画面の右上に記載されています。
書類審査が終わると登録したメールアドレスに「ステータスが変わったよ」とメールが届きます。
テスト運用だからなのか、書類審査に約半年かかり、メールが届いたのは2018年6月中旬でした。途中、ひょっとしたら戸籍謄本が届いてなかったのかなと不安になり、東京入国管理局に電話で確認してみたりもしましたが、ちゃんと届いていて手順通りに進んでいるようでした。知人のテスト運用に参加された方も、書類審査完了メールが届いたのは2018年6月中旬だったそうなので、テスト運用参加者にはこの時期に一斉にメールが届いたのかもしれません。
書類審査に通過すると、次は面接です。空港内の登録センターでCBP審査官と面接をします。面接場所と日程はweb上で選択できます。
私は日本から一番近いグアム国際空港にしました。
グアム国際空港
空港によっては面接の空きが少なくてなかなか予約が取れないなんて話を聞いていたんですが、2018年6月時点では、グアム国際空港はそんなことはなく、好きな日程、好きな時間帯で予約できました。
面接にはパスポートの他に、運転免許証も持っていく必要があります。パスIDも控えておくといいとのこと。おそらく日本の運転免許証だけでいいと思いますが、私は念の為、国際免許証(住民票がある都道府県の運転免許センターで即日発行可能)も持っていきました。
面接の持ち物
面接に行った結果としては、国際免許証は必要なさそうでしたが、たまたまかもしれないので保証はできません。
面接で聞かれることは、
など、簡単なことが多いそうですが、私は過去5年間に訪れた国の数が多いからか、「なんでこの国にはこんなに長くいたの?」「その間、どこに宿泊していたの?」など、過去の滞在履歴について少し突っ込んで聞かれました。とは言っても、顔写真と指紋を撮った時間を含めても面接全体で20分くらいでした。
面接が問題なく終わると、その場でグローバルエントリーの情報を日本のパスポートにリンクしてくれます。グローバルエントリーとリンク済みのパスポートであれば、パスポートの写真のページを自動キオスクに読み込ませることで、自動キオスクを操作できます。
つまり、面接が終わると直ぐにでもグローバルエントリーを使えるようです。これでアメリカ入国時に長い行列に並ばなくてよくなります。これからは自動キオスクに直行です!
面接後直ぐにweb上でもグローバルエントリーを取得できたことを確認できました。
グローバルエントリーを取得すると、おまけでTSA Preも付いてきます。
TSA PreCheck®(TSA事前審査プログラム)について
TSA PreCheck®は、米国国土安全保障省(DHS)の米国運輸保安局(TSA)が運営する事前検査プログラムで、事前にTSAから承認を受けたお客様に対し、米国加盟空港出発時、保安検査の簡略化・迅速化を図るものです。
対象となるお客様は、米国の加盟空港出発時の保安検査場にて専用レーンをご利用いただくことができ、検査においても、靴、ベルト、薄手のジャケットの着脱や、機内持ち込み手荷物に収納されたノートパソコン、液体物を取り出す必要がありません。
また、TSA PreCheck®の利用が認められたお客様が同伴する12歳以下のお子様も同様にプログラムを利用することができます。
グローバルエントリーがアメリカ入国時に役立つものだとすると、TSA Preはアメリカ出国時など、アメリカの空港から出発する飛行機に乗るときに役立ちます。保安検査場でTSA Pre専用レーンを使うことができ、検査も楽になります。靴を脱いだり、ベルトを外したり、鞄からノートパソコンを取り出したりしなくてもいいのは嬉しい!
ラグジュアリーカードにグローバルエントリーテスト運用のプロモーションコードを頂いたおかげで、いち早くグローバルエントリーを手に入れることができました。
最大でも1,500しかないプロモーションコードは、本来はVIPな方々しか手に入れることができない貴重なもののはず。そんな貴重なものを、特別な案内でとはいえ、会員に配ってしまうのだからラグジュアリーカードには驚きです。
「ラグジュアリーカード会員にはVIPとして待ち時間ゼロでアメリカに入国して欲しい」、そんなラグジュアリーカードの想いが込められているのかもしれません。
アメリカ生まれの金属製カード。直通で電話が繋がり、メールで回答をもらうこともできるコンシェルジュデスクが使いやすい。Mastercard最上位の「World Elite」ランクです。
コンシェルジュデスクを通して対象レストランを予約すると、対象エリアからレストランまでの片道無料送迎が付くなど、ユニークなサービスが多数あり。使っていて楽しいカードです。
ハワイ
実際にグローバルエントリーをハワイで使ってみたところ、話に聞いていたとおり、入国審査の列に並ばずに自動キオスクに直行できるので早いです。自動キオスクでの手続きは約1分で終わり、荷物受け取りレーンにはスーツケースが流れてくる前に到着しました。自動キオスクは日本語に対応していました。
グローバルエントリーとは違い、TSA Preを使うには飛行機の予約時にパスIDを登録しておく必要があります。
プログラム利用方法
プログラム有資格者に付与されるPass ID (Known Traveler Number)を米国便予約時にご登録ください。
チェックインの際にKnown Traveler Numberの照合が行われます。
正しく認証された場合、搭乗券に「TSA PRE」の文字が印字され、保安検査場のTSA PreCheck®専用レーンの利用が可能となります。
ANAのwebサイトにログインして予約便の確認をしたところ、確かに「Known Traveler Number」の入力欄があり、ここにグローバルエントリーのパスIDを入力できました。
正しく認証されたようで、ダニエル・K・イノウエ国際空港 (旧ホノルル国際空港)で受け取った搭乗券にはしっかり「TSA PRE」と印字されていました。
私はANAの上級会員なのでTSA Preとは別に、GOLD LANEも使えるのですが、ANAの方によるとGOLD LANEよりもTSA Preの方が早いそうです。
ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧ホノルル国際空港)のTSA PREレーン
パイロットやCAだと思われる方々もTSA Pre専用レーンを使っていました。並んでいる人数が少なく、靴を脱いだりベルトを外したり、鞄からノートパソコンを取り出したりする必要がないので、1人1人にかかる時間も少ないです。スムーズに保安検査を進むことができました。
いつの間にか、在日米国大使館・領事館のwebサイトからプロモーションコードをリクエストできるようになっていました。本格運用に向けて準備が進んでいるようですね。
2022年3月現在は「現在プロモーションコードが不足しております。新規にコードが発生されるまで今しばらくお待ちください。」と記載されていてリクエストできません。
せっかくグアムに行くんだから、グローバルエントリーの面接だけで終わりというのも寂しい。どうせなら美味しいハンバーガーを食べようと思い、ラグジュアリーカードのコンシェルジュデスクに、1人でも気軽に入れて美味しいハンバーガーを食べられるお店を探してもらいました。
ラグジュアリーカードのコンシェルジュデスクなら高級なレストランに限らず、ハンバーガーのお店だって快く探してくれます。そのときの回答メールがこちら。
ラグジュアリーカードのコンシェルジュデスクからの回答メール
回答メールによると「まだまだ多数のバーガー店がある」とのことなので、宿泊予定のホテル近辺に絞って、改めて何件か追加で調べてもらうこともできましたが、今回は「ハンバーガー大会で何度も優勝いているお店」とのコメントに惹かれ、Mosa's Jointに行くことにしました。
Mosa's Joint
2012年にグアムで行われたバーガーフェストでチャンピオンになった「Spinach, Mushroom & Bleu Cheese Burger」を注文、さすがの美味しさでした。
大手銀行系カード会社退職後、当サイトと世界一周ブログを運営しながら世界4周しました。旅をしたりしながらクレジットカードの情報を追いかけています。
Twitter:@k_creditcard